夜の街ですれ違う人々につひて

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7月27日(木)帰広---------------------

夜を走るバスにも慣れたか、はたまた我知らぬ旅の疲れか、思ひのほか熟睡して広島へ。

帰るなりウチのアパートがずっぽりと巨大な布に覆われてゐるのに驚く。外装工事が始まったやうだ。塗料が乾きやすいからこの暑い時期にやるわけね。あと壱ヵ月このかんぢらしひ。ヤレヤレ。

カンコンゴリガリと終始音がしてゐるので昼寝もできず、まぁしかしあんまり眠くもないし、そのままレッスンへゆく。

夜はさすがにバタンキュー。
布団に横になり、文庫本を開いたら寝てしまった。

7月28日(金)-------------------

暑い。

昼、佐藤弘之さんとのデュオのリハに行く。
こはオリエンタルホテルでの新体制。
6月いっぱいでそれまでミュージシャン登録してゐた人間が一旦解雇され、新たに編成された人員によるラインナップが構成された。

なんでもピンの歌手は基本ナシ、デュオか何かの編成で週末のみの就業、といふ事だったが、なんや開けてみるとやっぱりピンの歌手も入ってたりして、よぅわからん。

まぁなんにせよ、ピン歌手としてのワシは契約切れ、しかし佐藤さんのデュオなら継続、といふ事になったらしひ。
そのリハだ。
パンフには「梶山シュウ:ベース」と書いてあるが、知らん。
ギターで演る。

かつて「春秋楽団」を共にし、いろんな編成で絡んだ佐藤さんとの久しぶりのデュオ。基本ユルい人なので、細かい打ち合わせはナシ・・てゆーか意味なし。
本番、どーなることやら・・・。

あと、レッスン。
マイノリティ音楽マニアのYさんのレッスンで、久々に「プログレの曲」を取り上げはじめたので、なかなかに楽しい。

7月29日(土)金輪島:楽園熱帯夜--------------------

楽園熱帯夜:もぐフェス2017 といふイベントにしーシュで出演。

今年の春先、ぱんぱかで「鍋作戦」といふのをやった、金輪島は土龍(もぐら)といふライヴハウス。
籬島、ではないが、お客さんも含め船に乗って会場に向かう、といふ意味ではなんか別次元ぽくてワクワクするっちゃする。

主催は旅のミュージシャン、みほりょうすけさん。
彼がセレクトした各地のミュージシャンを集め、こっから先なん年も続けて行けるやうなイベントにしたい、との思ひでけふの第一回。
出演者はほとんど広島以外から参加しており、ワシらしーシュと「竹弦響」といふトリオが広島陣営。

会場は野外。よりによってめたくそ暑い壱日で、ミュージシャンはまだしも、お客さんは大丈夫かいな?。

ワシらの出番はトリなので、日が暮れる頃のステージ。待ち時間も長いので、気をつけながら過ごす。
酒も飲むが、茶や水をたっぷり飲んで水分を摂り、時折塩もねぶり、食事もちゃんと食べ、折を見て室内に入って涼み、汗もかき、また水を飲み酒を飲み、とやってると、暑い野外に壱日ゐたにしては、最後まで体調をキープできた。

で、満を辞してしーシュのステージ。
ワシらの前の竹弦響が、見事なステージを見せてくれ、それに触発された我らも良いパフォーマンスができたやうだ。

終演後、楽曲の完成度とグルーヴ、ハーモニィについて絶賛されたが、まさにそれこそしーシュが求める部分なので、とても嬉しい。

あとなぜかけふだけで6回ぐらい、年齢を訊かれた。
そのたんびに『いくつに見えます?』と思はせぶりな返答をしてゐて、まるでナンパされた女性になったやうな気がした。
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7月30日(日)ぱんぱか納涼大作戦---------------

忙しい事にけふもイベント。
しかもけふはダブルヘッダーである。

まづは、去年もやった「ぱんぱかトリオ納涼大作戦」
広島では珍しい「古民家カフェ」ひらひらを舞台にした、流しそうめん付きライヴだ。

カワちゃんが竹を切ってきて樋を作り、しーなさんが麺を茹で、ワシがタレを作り、といふ分業も慣れたもの。
お客さんは去年より少なかったが、みんな「食べる気」で来てゐて、次々茹で上げるそうめんが、あっといふ間になくなって行く。

その合間にライヴ。
今年に入って月イチかそれ以上、といふペースでライヴを続けてゐるぱんぱかトリオ。演奏は良いかんぢにこなれてゐる。
まぁトリオなので、もっとサクサクとステージが進むやうになれば良いのだが・・。

今年も好評にて終了。
そうめんが好評すぎて、ワシらの賄いがなくなり、新たに買い出しに出る、といふ、まぁうれしい悲鳴。

けふはその後、とあるCMソングの録音のため、スタヂヲに移動。
久しぶりに、絵コンテ見ながら、声音を変えながらいろいろ演るのは楽しい。
しかしTVのないウチは、オンエアが見れない、といふ・・・。

さらにその後、佐藤さんとのオリエンタルホテル。
地味なおっさん二人がやらかす地味な唄は、そぞや浮くだらう、と思ってゐたが、意外にもウケてゐて驚く。
この現場で初めて「手拍子」が起こったのには、たまげた。

しかしまぁ付け焼き刃、の感は拭えぬデュオであり、最後の方はネタ切れ。ワシが唄ってるバックで佐藤さんがギター叩いてる、みたいな事になってしまった。

まぁしかしよぅ動いた週末、売れっ子ミュージシャンの暮らしのやうな日々だった。
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7月31日(月)---------------

週末の動きが嘘のやうに、何の予定もない月曜日。
この落差が、決してワシが「売れっ子」ではない、と云ふことを示してゐる。

まぁ休みは休みなのでありがたく満喫し、ネット作業をしばしやり、炎天下を歩いて買い物にゆき、シャワーを浴び、常備菜づくりに没頭し、映画を見る。「シン・ゴヂラ」

なんか日本の政治力が弱い理由、を長々と説明されてゐるやうでゲンナリ。ゴヂラも帯同武器が大げさな割に弱すぎる。なんであれしきの技に負けてしまふのか?。

役者陣もイマイチな中、石原さとみが ただ一人過剰なエロさを振りまいてゐて、これはまぁ良し。

夜は久しぶりに女房と外食。
近所の鉄板焼き屋でお好み焼き&ビール。帰りにワインを買って帰り、家でまた飲み、あえなく撃沈。

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流れをうまく渡るコツなんぞ知らぬ

7月3日(月)-----------------------

4日間のイベントが終わり、ホンマはこのまま関東ツアーに、と行ければ良かったのだが、ちょいと日程がズレて、関東ツアーは来週から。ので、ひとまづ広島に帰る。

各地から集まって来てゐたメンバーやスタッフも、それぞれの街に帰って行ったり、次の旅に出て行ったり。
また必ずどこかで一緒に演れる事を願ってやまない。
じぶこんのタケポン&ゆぅこりん、恵樹さん、夏秋さん、ベンちゃん、友人スタッフの皆さん、近いうちに必ずどこかでお会いしませう!。

てなかんぢで解散したものの、ワシは東京駅を20時にバスが出るまではヒマ。吉祥寺に出向き、友人宅で夕方までのんびりさせてもらった。夕刻、仕事から帰って来た友人と軽く飯を食ひながら、バスの時間を待つ。

7月4日(火)-----------------------

平日の深夜バスは割と空いてゐて(年齢層高め)、まぁ楽チンて訳でもないけど、そこそこ眠れて気がつけば広島。
初めてこの長距離バスを利用した時は 想像以上に疲れてしまひ、『これはワシには向いてない』などと思ったものだが、ニンゲン慣れるもので、その後も何度か利用してゐるうちに、もぅなんとも思はなくなった。

朝のラッシュと反対向きの電車に乗って家に帰る。
出勤前の女房と朝飯を食ひ、昼までまた寝る。
夜はフツーにレッスン。その後、早速しーシュのリハ。
旅帰りと云へども、明日は「薬研堀夜市」なので、ゆっくり休む訳にも行かぬ。

よぅそろ。

7月5日(水)しーなとシュウ薬研堀夜市--------------------

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Live cafe JIVEを会場に、隔月でお送りするしーシュの定例ライヴ「薬研堀夜市」の2回目。

けふは「浴衣祭り」と銘打ち、ワシらは久しぶりに浴衣で演奏。お客さんも浴衣でご来場の方にはしーシュから1ドリンクサーヴィス、といふ企画にしたが、午前中かなり本格的な雨で、ややガックシ。しかし昼過ぎからは雨も上がり、スカッと晴れ、とまでは行かずとも、夕方にはまぁ浴衣着て街に出る、くらいはできるかんぢに・・・。

ワシはいつものお気に入り、紺の染め浴衣。しーなさんは艶やかなかんぢの浴衣にするもの、と思ってゐたが、最近新調したといふ少女のやうな可愛らしい浴衣。これがまたよく似合ってゐて、年齢不詳度にますます磨きをかけてゐる(知ってるけど・・・)。

お客さんも個人で、または仲間内で示し合わせて浴衣で来てくれた方も多く、会場が華やぐ。
その音楽性ゆえに「演者と観客がひとつになる」といふライヴになりにくいしーシュだが、このやうな形で会場と「一体感」が図れるのはやっぱり嬉しい。

けふの演奏はまた、近年稀に力が抜け、また音響が最高に素晴らしく、まったくストレスなく歌と演奏に集中できた。
良いライヴだった。

会場のJIVEも満員御礼で嬉しい。
長らく『地元であんまり演らんバンド』のやうに思はれてゐたフシもある我らだが、かうして隔月ででも此処で演ってる、といふ事を、これからも認知してもらひ続けやうと思ふ。
ご来場の皆さん、ありがとうざいました。

前回書かなんだが、今回から夜市ごとにラインナップを表記して行きますね。

7/5 しーなとシュウ薬研堀夜市第二回 演奏曲目

壱部= 1:毬藻あり〼 2:亀の庭 3:梅雨の仙人掌 4:びしゃもん台 5:アフリカの月(西岡恭蔵) 6:シェルブールの雨傘(スタンダード) 7:君といつまでも(加山雄三) 8:紫の狐

弐部= 1:爪とぎ唄 2:カム・トゥゲザー(ビートルズ) 3:ペンギンカフェで逢いませう(しーなVoで) 4:サイドカーに犬を乗せて(シュウVoで) 5:わたしはモナカ 6:旅行きて 7:砂に泣き 8:サンダル履いて アンコール:ぎやまん Dance

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7月6日(木)---------------------

定例ライヴ明けてほっこり。

・・・・と思ってたら、ホンマに空き日・・つまり仕事がない壱日だった。
ライヴもレッスンもなし。しかも狙ってさうした訳ではなく、自然に・・!。あんまりよろしくないですね。

まぁ仕方ないので、最近ちょいと町外れに出来た、超巨大ショッピングモールに行ってみる。
某T書店の本格的なやつが入ってゐる、といふのでちょっと期待してゐたが、けふパっと見た限りではそれほど大したことがなかったな。むしろ「いま流行りのものをとりあへず集めてみましたよ、ホラあんた、こんなの好きでしょ?え?」といふかんぢの品揃えの気がして、なんだかネ・・・。

モール内の他の店舗も、あまたあるホームセンターとそれほど大差ないかんぢ。小壱時間ウロついただけなので、細かいとこまではよく分からんが、まぁたっぷり時間あるときにまた来てみるかね。

7月7日(金)--------------------

「吉祥寺の血の繋がらぬ我が娘」こと久保田涼子が、仕事の関係で広島に帰って来てゐて、音楽監督として、とあるプロジェクトに参加してほしい旨を相談受ける。

細かい実情など聞き、ホンマにその役を受けるのがワシでふさわしいか、よーくよーく考へてもらひながら内容を進めてゆくことに。

音楽監督か・・・。懐かしい響きだ。
2010年の夏から年末にかけて、かなり大きな舞台プロジェクトの音楽監督を務めさせて頂いた。
とても楽しく、やりがいのある、またなかなかキツい仕事だったが、あの時、数ヶ月の間に必要とされる曲を書き、アレンジもし、ミュージシャンもセレクトし、それらをまとめ、また役者との橋渡しをし、といふあの時の経験は、何ものにも代え難い貴重な経験だった。

あれと同じやうな仕事が、もぅ壱度できるか?を自答してみる。まぁやってみるか、との思ひもあるが、出来るんか?との思ひもある。

7月8日(土)---------------------

古いカセットテープ(!)を整理してゐて、かのリトル・フィートのギタリスト&メイン・コンポーザーであったローウェル・ジョージのエアチェックが出て来た。

「トゥ・トレイン」や「スパニッシュ・ムーン」の、もぅゴキゲンなグルーヴの嵐。久しぶりに聴いたけど、良いなぁ。

20代中盤にかけて、この辺りの『黒人音楽に強力な影響を受けた白人のロック』を聴き漁りまくったものだ。その時に勉強した、といふか身につけやうとしたグルーヴ感が、今もワシの大きな自信に繋がってゐる。
リズムのヨレを「グルーヴ感」と勘違いしてゐる人も多いが、これを聴いたらそげな世迷いごとは云へぬだらう。

そのグルーヴの中にあって、美し切ないバラード「20million things」が泣かせる。
「俺にはまだ2千万もの、やり残したことがある」
調べたところ、この曲はローウェルが最後に書いた曲、なのださう。人生に疲れ、薬に溺れ、ぼんやりと自分の死を予期しながら、「やり残したこと」に思ひを馳せて歌い、そして結局、その通りに逝ってしまった詩人。

イントロとエンディングに、譜面台かなにかが倒れる音(と、『ああ ヤレヤレ』といふつぶやき)が入ってゐるのが、また彼のアイロニーを思はせ、切なさが・・・。

7月9日(日)------------------

ワシが「吟」で、そして「椎名まさ子と執事フライデー」として長らく出演して来たオリエンタルホテル広島。
そのラウンヂ演奏の仕事が、先月で一旦終了。
けふより新体制の「ライヴ」としてスタートすることになり、こたびは「しーなとシュウ」でそれを受けることに。

お客さんにしてみれば、これまでとあまり違った感じはないだらうが、ワシら的に大きく違うのは、二人がイーヴンでがっつり歌い合うこと。まさに「しーなとシュウ」の売りそのもの、でこの場を「仕事」にす、といふ点で、ある意味わりと大きなチャレンヂではある。

けふはその初回。
30分×3回のステージで、ワシ、しーなさんそれぞれがセレクトしたカヴァー中心に、オリジナルも交え25曲で構成。
これまで「吟」や「執事」での働きに馴染んで来た常連Hさんご夫婦も「やっぱり迫力が違う!」と云ふてくださった。
そは、ワシらの新しいやり方、が提示された、といふ事でもある。

ただ、これが「ここのやり方に合わぬ」と云はれたら、それはそれで仕方ない、と思ふ。
さうなれば潔く辞退させていただく。
それくらいの覚悟での、けふの初日だったのだ。
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7月10日(月)--------------------

久しぶりのWADAバンドとしてのリハが朝から。
けふは他にも色々とやらねばならぬ事が多かったので、メモにリストを書き、それに沿って行動す。

だいたいその通りに行動し、だいたい思ったやうにできた壱日。
意外に思ふ向きもあらうが、意外にもワシは斯様に「計画性」を重んじるニンゲンである。

だがその途中途中で見せる「直感型」の言動が、割と人さまを振り回す傾向にあるので、直情型のニンゲンと思はれるのだ。まぁそれも事実なので 仕方ない。

7月11日(火)-------------------

日頃「創作」された「物語」以外を読まぬワシだが、フとした縁で、ナニかの起業で成功した人が賢しらに書いた文章を読む。その著書いはく『自分がやりたい、と思ってゐる事が、本当にやりたいことなのか?、を知るのが大事』と述べてある。『そは、思ったより自分がやりたい事ではなかった、といふ事もままある』と説く。

ちなみに著者は『世界を旅してその土地その土地でギターを弾き、それを物語に書きながら旅して暮らしたい』といふ夢があったのださうな。そらぁワシから見てもわりと荒唐無稽な夢だと思ふが、その人はその縮小版、といふ形を試した事で、それに自分が向いてない、と気付いたのださう。ふ〜ん・・。

まぁワシに賢しらに語らせるならば
『成功したい、などと大それた夢を持ってゐるなら、音楽なんぞやらぬことだ』。
51年、音楽と共に生きて来て、分かったのはその一点だけだな。

7月12日(水)-------------------

夏のツアーが始まる。
行って来ます。
プロフィール

梶山シュウ

Author:梶山シュウ
旅するのらくら電気ベース弾き語りスト。
おもに、えせニック歌謡デュオ「しーなとシュウ」で活躍。
500年生きてゐる、といふ噂もある。

音楽と映画と本、少しの酒とツマミ、たっぷりの空き時間 をこよなく愛する中年男。

http://www.kajiyamashu.com

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