2月(2/16からの日常)

日常:選ぶ事が捨てる事でないやうにRIMG0048.jpg

2月16日(木)------------------------------------

広島での日々が始まる。

この旅の間、しーなさんと「シャンソン」につひて語った。
しーなさんは、ソロの演目にいくつかシャンソンのレパートリィも持っており、教えたりもしてゐて、造詣が深い。
その彼女から、唄にまつわる色々を聴くのは楽しい。

ワシは正直、シャンソンと云へば、字余りの長い歌詞をリズムに関係なくつらつら語るかなしい唄、といふ認識しかなく、元々はフランス語で唄われる全ての小唄の事を指す、といふのも知らなんだ。

荒廃した国や故郷を思ひ、放浪の苦しみを唄う社会派のシャンソンも少なくないのだが、日本に入って来た時、それが「愛の唄」に意訳された物も多く、そのせいで、わりと誤った認識もまかり通ってしまってゐる。

だから安易に、シャンソンの唄にボサノヴァのアレンジを加えたりする愚行が出来上がったりもす。

さうあってはならぬ、と、まづは聴き込むことから始めてみやう。けふだけでわりと色んなシャンソンを聴いた。

2月17日(金)------------------------------------

喉の調子が悪いのは、多分花粉症が始まったからだと思ふ。

昨日のレッスンと個人練習の限りでは、唄に支障を及ぼすことは無ささうだが、喋り声がガラガラなんはしんどい。
トム・ウェイツのやうだ。
そのガラガラ声で、孤独な営業「吟」@オリエンタルホテル。なんと壱ヶ月以上間があいてしまった。1月のが3日&7日とツマってゐた上に、2月のが後半に入ったからだな。

直前に時間変更の知らせが入ったりして、やや焦ったが、けっこう沢山の人が見に来てくれてゐて嬉しかった。
シャンソンに目覚めた、と云ふ訳ではないが、あぁいふ世界を垣間見ただけでも、「唄」と云ふものに対する姿勢が変わる気がする。けふはそんなかんぢだった。
大変聞き苦しい声で申し訳なかったが、唄には意外なほど集中でき、良い2ステージをこなせた気がする。

50歳を越え、ますます、「唄」が面白くなって来てゐる。
良い兆候だ。

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第参週:夜明け前がいちばん冷え込むのだ

2月18日(土)------------------------------------

ぱんぱかトリオ、追い込みリハ。明日の金輪島イベントに向けて、の。

ほぼ完璧な仕上がり。
このトリオに関しては、このリハの音場-----歌声=生、ベース=アンプを小音量で、ピヤノとアコルディヲン=生、で演るのがいちばん良いのではないか、と思ふ。この音場をそのまま増幅してくれる音響こそ、ベストな音響なのではないか、と思ふ。さー、明日はどーでせうか?

その後、ツイデ、みたいなかんぢでしーシュのリハ。
しーシュ用の機材を持ち込むのが面倒だったので、ぱんぱか機材で演る。すなはちヴァイオリンベース。
これが弾きにくい事以外に、悪いところがない、といふ、ね。
これでこの楽器がもっと弾きやすかったら、間違いなくワシのメイン楽器になるのではないか?と思ふのによ。
ぬーむ。

2月19日(日)---------------------------------

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その金輪島企画「ぱんぱか大作戦:鍋」

金輪島に存在するライヴハウス「土龍(もぐら)」。
この場所の存在、以前から知ってゐたが、なんせ船でないと行けぬ場所。流れのお客さんを見込める確率はゼロ。
ここで演るとすればお客さんを「集めて」行くしかない。
ただ、フツーに「島でライヴ演ります」と云って、どれだけお客さんが集まってくれるだらうか?。
どーすればオモロい事になるか・・・?

との思ひから企画したもの。

よーするにライヴを含めてこの「金輪島に行く」といふレヂャー・イベントにせん、と。

お客さんはまづ、市営桟橋に集まるところからもぅイベントが始まる。
カワちゃんが旅行添乗員のやうにお客さんを先導し、こぞって船(この船がまたえぇかんぢの小舟なのだ)に乗り、島に着けばワシとしーなさんが出迎えて、そこから会場までみんなぞろぞろ歩いて行き、会場では飯を喰ひ、ライヴも見て、島の自然に触れ、またみんなで同じ船に乗って、帰って来る。

脱力ほんわか系ユニットぱんぱかトリオだからこそ出来る企画ではないか。

そして、この計画のやうに進み、だいたぃワシらの狙った通りの運びとなった。
良い企画だった。ワシらも面白かったし、お客さんも楽しんでくれたのではなからうか?。
日曜の夕方、幸せさうにそれぞれの日常に帰って行くお客さんを見て、あぁ良い仕事だったな、と思った。

ワシらはそこからスタヂヲに引き返し、ウェブラヂヲ旅のしゃべラジの収録。さらに、来月ワンマン演る会場に、下見をかねて挨拶に。

よぅ動いて、よぅ弾き唄い、よぅ働いた壱日だった。
みんな 太陽がいっぱい だった。

2月20日(月)---------------------------------

シャンソンの研究を始めた、と書いた。
シャンソン、と云ふのがもとは「フレンチで唄われる歌謡」全般を指し、特定のジャンルを示す言葉ではない、と知る。
シャンソンの代表、のやうに扱われてゐる唄でも、それがアメリカで生まれた曲ならば、厳密にはシャンソンではない、とも云へるのだ。
現代ではそこまでの括りはなく、広義でのシャンソン、と云ふことで様々な歌が歌われてゐる。

けふもなにか得るものはないか、と本屋をうろつき、そのテの本を探してみた。したら、しーなさんからも薦められたバルバラ、といふ女性シャンソン歌手の自叙伝があった。
まー、凄まじい人生を生きた人のやうで、なるほど『シャンソンは60代ではまだヒヨっこ』と云はれるのも分かる。

この人、ジョルジュ・ムスタキなどとも一緒に演ってゐる。
ほとんどの曲を作詞作曲してゐて、広義には「シンガー・ソング・ライター」といふ事になる。
それもふくめて、なるほど、と思ふ。

シャンソン、奥深し。

2月21日(火)---------------------------------

午前中は確定申告に取りかかる。
だいぶなれたこれも、今年からマイナンバーだの何だのと、また変な事が増えよる。
どのみち大した収入はないのだから、と、かなりテキトーに出してやった。
向原まで出張レッスンに行く途中で、郵便ポストに投げ捨てて来た。

けふはその後、五日市まで取って返し、楽器店のレッスン。直接ギャラに結びつかぬ仕事を回され、義理と人情ではなく、実益と付き合いの間で揺れ悩む。

全然練習してない生徒に、久しぶりに説教のやうな事を。
最近は、練習して来ぬ生徒を怒らぬやうにしてゐたが、あんまり甘やかしても、ねぇ・・・・。
そもそも、親の金で習いに来て、全然練習してへん、ってどぅよ?。
何しに来てるの?てかんぢよ。

2月22日(水)---------------------------------

猫の日、なんぢゃげな。

こないだの金輪島の事を思ひ浮かべる。
オーナーのFさんは、あの場所をまるっと「買った」のださうな。
ただただ、海辺でライヴを演れるやうな空間が作りたい、と云ふ思ひのみで、である。

ある程度の社会的成功を収めた人だからこそ、だとは思ふが、たとえばあの場所を、ワシが「買える」としたら・・・。
あそこに住み、波と風の音で目覚め、海岸を散歩し、畑で取れたものを食べ、近所に気兼ねなく音を出し唄を唄い、日が暮れれば火を熾し、星を眺めながら酒を呑み・・・。
ぱんぱか

嗚呼 素晴らしきかな人生。

でもやはり、いつか旅に出たくなるのだらうなぁ。ぱんぱか


2月23日(木)-------------------------------

曲が書けないで困ってゐる。
いちをうスタヂヲに入ってピヤノかギターに向かひ、小壱時間くらいはうんうん唸ってみるのだが・・。

結局、去年一年も4つしか完成できず、そはそでまぁ仕方ないか、と思ったが、さすがに此処まで出来ぬといょいょ『枯渇』といふリアルな文字が頭に浮かぶ。

うぅむ。

2月24日(金)---------------------------------

映画「八甲田山」観る。
1977年公開。もっとちぃさかったやうに思ってゐたが、ワシが12ん時か・・・。
陰鬱な、てゆーか凄惨な映画である。子供時分には、なんでこの人たちが雪の中で四苦八苦してんのか分からんかった。

どこまで史実か分からんのだが(ほとんど生存者が居らん)、まぁ正規の指揮官がゐたにも関わらず、面子を重んじる者どもがしゃしゃり出て来て、多くの人を無駄な死に導いた、といふ筋だ。

これをホンマに冬の八甲田山でロケしてゐる、東宝のやる気と云ふか狂気(笑)。
あまりに過酷なロケに、数名の俳優がギブアップして逃げ出した、といふ逸話も残ってゐる。まぁ、陰惨で長い映画だが、さういふ映画びとの苦労を思ふと、よくぞ撮った!と思はざるを得ない。

にしても、劇中 数少ないながらも登場する、日本のまだ若き映画女優たち(栗原小巻/加賀まりこ/秋吉久美子)の、なんと美しきことよ!。
控え居ろう!。
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第四週:見よけふもかのあをぞらに

2月25日(土)----------------------------------
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九州をひとりでぐるっと回って来た「座長」こと、富安秀行さんと、ふたたび広島で合流。
歌声一座、として広島市内で演る、壱年ぶりのライヴだ。

思ひ出すなぁ・・。
富安さん心臓発作で緊急入院、退院後すぐのライヴをワシが「介護人」としてサポートし、広島に連れて帰って来てしーなさんが合流し、と云ふ去年の流れ・・・。
だいぶ元気になった富安さん、九州ツアーにもおぉいに手応えがあったやうで、先月山口で一緒した時より、なんかノってるかんぢ。

けふも「歌声一座」として、最初から最後まで3人のステージを展開。
会場のトコナツ屋もお客さんでいっぱい。おぉいに盛り上がり、きっちり聴かせたライヴとなった。
来年には、いょいょこの3人で音を録っておくか、といふ話しにもなりつつある。

やれることは全部やってしまおう。人生は短い。

2月26日(日)----------------------------------

昨日に引き続きしーシュで行動。
けふは朋友ドラマー&パーカッショニスト小川哲弘が50歳を自ら祝って50曲叩く!といふどっかで聞いた事のあるやうな企画(笑)に、参戦。

ロックからフォーク、ファンクやフュージョン、はてはプログレまで、ホンマに50曲叩くてっちゃん!。
てっちゃんゆかりのミュージシャンがプロアマ問わず多数参加し、セッションしまくる、と云ふ、結果として、昼の2時半から始まり、夜の10時過ぎまで、といふ超長丁場のイヴェントだった。

ワシらは進行の中盤にしーシュ+てっちゃん、のトリオで出演。
「せっかくなのでてっちゃんをイジめやう」
といふことに勝手にして(笑)、あえて変拍子系ばっかりで構成。しかも初めて演る曲もあり、「やめた方が・・」といふてっちゃんを無理矢理付き合わせて、お構いなしにしーシュの世界を叩き付けた。

見事なプレイで対応したてっちゃんも含めて、しーシュに拍手喝采。
出番的にも良い時間帯で、久しぶりにかういふ場でしーシュの存在をアッピールする機会にもなった。

その後も続くは続くは・・・・。
いや〜てっちゃん、よく頑張りました!といふかんぢだった。

これだけの人脈を集め(お客さんも満員)、それぞれに合わせてプレイし、なをかつ皆を楽しませてくれる、といふ、希有な存在である。スゴい男だ小川哲弘。
ワシが演った50曲ライヴでは、こんなには盛り上がらんかった。

カタギとは云へ、ミュージシャン暦は長く、壱時はメヂャーにもゐたてっちゃん。
その人脈には、むか〜〜〜しワシとも絡んだことのある人たちも少なからずゐて、けふはさういふヒトとの久しぶりの再会の場、でもあった。懐かしい、嬉しい邂逅が、いっぱいあった。

てっちゃん、ありがとうね。あらためて50歳、おめでとう!

2月27日(月)----------------------------------

けふもしーシュ。

けふはリハ。昼リハだ。
昨日は楽しかったねぇ、とか云ひながら、しかし続いたライヴと打ち上げの疲労は隠しようのない中年デュオ。まったりと旧曲思ひ出し練習や、新アレンジ練習など。

終わって帰っても、昼。
天気もよくぽかぽかと日射し暖かいので、河原にてしばしボーとす。
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2月28日(火)----------------------------------

昨日に引き続き、好天の広島。
さすればまぁそろそろ飛びはじめるかよ花粉。
早くも目がちりちりと痒く、夜中に掻いたりしてゐる模様。アー、またあの季節だ。

早めにスタヂヲに入り、アイディアのあった曲を完成させる。歌詞の一節一節の頭が全部、50音の「あ」から「わ」まで順番に並ぶ、といふ唄にチャレンジ。見事、出来上がった。
ワシは柿本人麻呂かっ!?。

でも、まぁ久しぶりに曲が完成できたので、嬉しや。
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プロフィール

梶山シュウ

Author:梶山シュウ
旅するのらくら電気ベース弾き語りスト。
おもに、えせニック歌謡デュオ「しーなとシュウ」で活躍。
500年生きてゐる、といふ噂もある。

音楽と映画と本、少しの酒とツマミ、たっぷりの空き時間 をこよなく愛する中年男。

http://www.kajiyamashu.com

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