風の集まる場所で

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6月29日(木)藤野芸術の家:じぶこんへそ祭り 合宿1日目-------------------

8時半に新宿駅にバス着。
なんかえらいことゆっくり走る夜行バスだって、予定時間より1時間も遅い。ワシは別に構わぬがビジネスに使う人なら、それなりに大変だらうな、とは思ふ。まぁビジネスで東京に来るやうな人は新幹線で来るか・・。

夜通し夜を走り、腹が減ってゐたが、朝の新宿駅周辺で飯を喰ふ、のはどーも気が引けたので、コンビニでサンドウィッチを買い、路上に座り込んで喰ふ(同じか)。

新宿→藤野、は結構な距離。が、けふの入りは13時。現在8時半。いかに云ふても動き出すには早い。なにをして過ごすべきか、と思ってゐたが、タケポン(じぶこん/辻岳春)が『うちに来てリラックスしてくれ』と云ふてくれたので、さうする。

SNSなどの発達で、お互いの動静を見てゐるせいか、あまり気にしてなかったが、じぶこんの二人と会うのはぢつに2年ぶり。ゆぅこリン(じぶこん/ゆうこ)の髪型が変わったのを見るのも初めて、と知り、愕然。タケポンのご実家に身を寄せさせていただき、こちらはもっとご無沙汰してゐた母上様と巨大な猫にも再会。

そっから藤野までは「じぶこんカー」で。

今回のイベントのことを書くと、じぶこんの長きに渡る旅の中で出会い、『これは』と思った人を集めてイベントをしたい。して、それをデカいステージで発現させたい。といふ夢を実現させるもの。選定された人脈は 音楽家だけでなく、画家、書道家、ダンサー、ヒーラー、パン屋さんや珈琲屋さんにも及ぶ。

けふから4日間、我らは会場である「藤野 芸術の家」にて「合宿」生活をしながら、イベントに向けて音楽を練り上げて行く、のである。

その「音楽の部」。
じぶこんHSバンド、と名付けられ、全国から招集されしメンバーは、ギターに島根県から中嶋恵樹、鍵盤に長野から夏秋文彦、パーカスに富山からヤマダベン、これにじぶこんの二人と、広島からワシが加わる6人編成。多国籍、ならぬ多県籍メンバー、しかもじぶこんの二人以外は、全員この日が初対面、といふ・・。

早速スタヂヲに入り、リハ開始。
音を出した瞬間から「!」といふかんぢ。本番が凄い事になるであらうことが、もぅ確信できるやうなかんぢだった。

そっから晩飯の時間を取りながらも、21時までぶっ続けのリハ。
その後も宿舎(同じ施設内)で、曲順や構成につひて、あーでもないこーでもない、と喧々囂々。真面目なディスカッションが続く。RIMG1888.jpg


6月30日(金)藤野芸術の家:じぶこんへそ祭り 合宿2日目----------------

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朝からリハが続く。

昨日とけふのリハで思ったのは、ま〜ぁHSバンドメンバーの手練れたることよ!。
それぞれソロで1ステージ演れるパフォーマー達でありながら、どんなスタイルや曲調にも、瞬時に対応し、どんどん楽曲が練られて行く様は、ホンマに驚愕だった。

普通、かういふニッチに収まると、割とガンガン仕掛けてゆくワシが、なんか割と攻めあぐねてゐるかんぢ、と云へばわかって頂けるだらうか?。本当に「上手い人たち」といふのは、こんな人々を云ふのだ。
まぁだからと言って、攻めあぐねてゐるばかりでは始まらぬ。ワシの全てを出し切って、任務を遂行するしかない。

会場も、スタッフ、有志一同、出店者など集まり始め、徐々にイベントの気運が高まって行く。

ところでワシは、ギターの中嶋恵樹さんとすっかり打ち解け、一緒に風呂に入ったり、弁当のおかづ交換なんぞしてゐる(笑)。恵樹さんとは、ぢつはだいぶ以前に広島で一緒のステージに立った事があり、かうして再会でき、今度は一緒に音を作り上げて行ける、と云ふのが嬉しい。

7月1日(土)藤野芸術の家:じぶこんへそ祭り 本番「へ」の日------------------

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さぁ、じぶこんの二人が待ちに待ち、望みに望んだ「へそ祭り」がついにスタートする。

音楽イベントではあるが、なんバンドも出てキューキューのスケヂュールで音出っ放し、みたいなものではなく、それぞれの出し物の間に十分な休憩をとり、全体がとてもゆったりした流れの中で行われる「へそ祭り」。

まづはHSバンドの演奏による「へそ祭のテーマ」で開会宣言。ライヴ書道による「へそ」の文字。ママドゥ・ドゥンビアによるコラ演奏。ダンス・ワークショップ。これらが3時間の中でゆっくり行われ、ワシらは即興でダンス・ワークショップに音楽を付けたり・・。

そしてHSバンドのパーカス、ヤマダベンによるパーカッション・ソロライヴ。
これが凄かった!。持ち前の社交性で、バンド内でもムードメーカー的な役割を持つベンちゃん。その開放的オーラはソロになると一気に自己集中へのパワーとなり、凄まじいパーカッション・ソロを展開する。お客さんを煽りまくり、同時演奏するディジュリドゥも、専門家真っ青の腕前。

うぅわ、この後にワシのソロかよ、演りにくいわ〜。

てことでワシのソロ。
結局、喉は完全復帰に至らず、嗄れ声で歌う事に・・。ならばもぅ小細工なしで、と初っ端からブルーズを歌って異端のセット。そっから先は成り行きで決めてゆく。しーシュの曲をひとりで演ったり、割と冒険的なプログラムとなった。

ものすごく手応えがあった!とは云へぬソロだったが、まぁ不完全なコンディションながら、精一杯のことは演れたと思ふ。明日も続いたメンバーそれぞれのソロが、どれも割とガッツリ楽器を聴かせる、といふ構成だったので、ワシの「歌」にこだわったソロは、そこそこのインパクトを残せたのではないか、と。

そして、最後はもちろんHSバンド!。
もぅこの時点で会場は立ち見も出る満員。メンバーがステージに上がっただけで、すごい歓声があがる。こんなライヴ演るのは初めてかもしれんな。

結構な曲数あったが、あっと云ふ間に終わった、といふかんぢだった。

けふの打ち上げは、お客さんや出店者も交えた大バーベQ大会。巨大な肉塊が次々と網に置かれ、じゅうじゅうと香ばしく焼きあがる。まぁワシら、もぅそれほど「肉!」てかんぢはないのだが、せっかくなので色々と食べた。会が進むと自然とHSバンドのメンバーが集まり、けふの出来や明日への展望などの話が出て、大役を終えたワシはよぅ飲み、よぅ食った。

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7月2日(日)藤野芸術の家:じぶこんへそ祭 本番「そ」の日-----------------

かうして見るとあっと云ふ間だった4日間の総まとめ、いよいよへそ祭りも最終日である。
ホンマはこっからツアーに出て、もっともっと良くなって行くンだがねぇ〜、などと皆で云ひながら、最後の1日を走り始める。

会場は早くから、昨日を上回る大入り。
けふはドラム・サークルやフラのワークショップなどで、昨日よりさらに「参加型」のイベントとなり、よりディープな印象。けふソロステージを担当したのは鍵盤ハモニカの夏秋さんと、ギターの恵樹さん。この二人のソロが、それぞれまた凄くて、ホンマにワシはこれだけの手練れ達の中で演ってきたのだな、と云ふ思ひがしをしをと・・。

そして、参加した誰もが「嗚呼、終わっちゃうなぁ」と云ひながら、HSバンド最後のステージへ。

情けなくも、昨日よりいっぱい間違えてしまったラストステージだった。
なんか知らんやたらと手が滑り、目も霞んで譜面をロストすることしばしば。いやホンマに申し訳ない。

しかし、ライヴの盛り上がりはそれどころではなく、終演後も鳴り止まぬ拍手の嵐が、このイベントの成功を確信させてくれた。いやぁ、よくぞこれだけのイベントを完遂したもんだ!。素晴らしい!じぶこん!。

何度も思ったが、よくぞこのメンバーにワシを加えてくれた、と感謝の念を禁じ得ない。
「構想段階前から、ベースはシュウさん以外考へられなかった」と云ってくれるタケポンとゆぅこリン。
その思ひに応えることが出来たのなら嬉しい。

音楽家としての自分を、まだまだだと、本気で思ふ事ができた、貴重な時間でもあった。
恵樹さん、夏秋さん、ベンちゃん、そしてタケポンとゆぅこリン、ママドゥ。全員が、いまだかつて会ったことのない、素晴らしい孤高の音楽家達であった。

なにやら重いメンタルの悩みを抱えて、今回の旅に出た。
そしてイベントを終え、ナニかが見えた訳ではない。悩みは相変わらず曖昧な靄のやうに、身体に巣食ってゐる。
迷いは持ち越され、そのままこの旅も終わる。

だが、それに足掻くことを、良しとしやう、と思った。
答えの出ない問いを、づっと持ち続けやう、と強く思へた旅だった。
これからも悩み続けるだらう。悩みを抱えたまま、歌い、また旅をするのだらうと思ふ。

さうするしかない。
さう、ワシは既にリングに立ってゐるボクサー、トラックに放り出されたランナーなのだ。
さういふ人生を、自らが選んだ男なのだ。

友よ。

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プロフィール

梶山シュウ

Author:梶山シュウ
旅するのらくら電気ベース弾き語りスト。
おもに、えせニック歌謡デュオ「しーなとシュウ」で活躍。
500年生きてゐる、といふ噂もある。

音楽と映画と本、少しの酒とツマミ、たっぷりの空き時間 をこよなく愛する中年男。

http://www.kajiyamashu.com

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